拘束元絵
萌え語りパート

なんか血も半裸も無しでクるものを描こうと思った結果。

氷玄は善神の力のほんのわずかだけど一部を持っていて、他者の傷とか痛みとかを吸い取り自分に移す的な能力設定がありまして。
左腕とか胸の紋章に自身の血をつけてうんたらで発動する仕組み ( まだきっちり条件を決めてない )
これまでちょっと怪我した動物とかにしか使ってなかったけど人相手に使うってことになり、使ってみたら相手が割と重傷だったのも合わせて、外傷的にはそこまでじゃないけど ( 多少肌が裂けるぐらい ) 内部的に重いダメージ受けた…みたいな。
んでその苦痛に耐える…っていうシチュです。多分。
外傷は目立たなくなったけど血管とか内臓とか骨がやばいとか。そんなん。ちなみに動物相手だと度合いにもよるが鼻血が出たり頭痛がしたりなレベル

仲間の前では虚勢張ってるけど人の居ないところで呻いてたりしたら萌える。あと熱とか上がってたらいいね!んで重症の相手はゼロさんでゼロ自身は気付いてないとかだったらいいなぁ… ( 何故



SSパート

痛みで目が覚めた。
いつもは近くにいるはずの仲間も今は居ない。四日ほど前に、用事があるから先の街で落ち合おう、と仲間と別れた。
本当は用事なんてものは無い。この無様な姿を人前に晒したくなかっただけだ。
そうして一人、元々向かおうとしていた道をはずれて遠回りするように人気のない森へ足を踏み入れた。

脈動と共に浸食するような痛みに低く呻く。
自らを掻き抱くように、押さえつけるようにきつく腕を交差させ、樹を背に押し付け、発作のように訪れる激痛をやり過ごそうと浅く息を吐く。
ごぼ、と鈍い音を身体の奥で聴く。反射的に口元を押さえた指の隙間から赤が零れる。
押さえたものの、纏わりつくような血腥さに耐えかね、地面に手を付いて咳き込むように赤を吐きだした。
地面をざり、と引っ掻きながらなんてザマだ、と自嘲する。血で赤く塗れた唇が歪む。本当になんてザマだ。
筋肉が痛みに痙攣する。身体は熱いのに震えが止まらない。
再度咽喉の奥からせりあがってくるような感覚。今度は止めず、そのまま地面を赤く染める。
くそ、と小さく悪態を吐きながら震える腕を動かし口元を拭う。何度も同じことを繰り返しているのか、その袖は血で赤黒く汚れていた。

先程よりはいくらか痛みが引いた。慣れたのか、それとも身体が苦痛を感じることを拒絶し始めたのか…
どの道みっともねえ事には変わりはねェかと心の中で苦笑する。口内に残っていた血を吐き捨て、半ば地に伏していた身体を起こす。
ゆっくりと樹に背中を預け、息を整える。冷静に考えれば前よりも激痛の波が襲ってくる感覚が長くなっているように思えた。それに気を失うことも殆どない。
もう少し安定したら合流しよう、と頭の片隅で考えながら樹を支えに立ち上がる。道を真っ直ぐに進むより遠回りしている。少しでも街に近付いておきたかった。
ぼやける視界と痛みに軋む身体、ふらつく足元は無視して、街に向かってゆっくりと歩き始めた。




2012年9月15日公開